ヘルスリテラシーは生活の質を高め、健康的で楽しい人生を実現することが役割です。戦後と比較して現代人の寿命は大幅に延びており、その理由の1つにヘルスリテラシーの向上があります。若いうちから禁煙を始める、お酒は適量を楽しむ、適度に身体を動かすなど、健康習慣を認識して実践する人が増えてきたのです。ヘルスリテラシーはただ知識を得るだけでは不十分であり、得た知識を日々の活動に取り入れていかなければいけません。
ヘルスリテラシーを活かすには、継続する心構えを持つことが大切です。食事療法や運動療法は健康管理に貢献してくれますが、三日坊主で終わっては意味がありません。継続的に実践して習慣化させ、日常生活の一部にしていくことが大切です。継続することで身体が慣れていき、当初は苦痛を伴っていた食事制限や運動などを無理なく行えるようになるでしょう。また、一般的に健康対策のメリットの実感には、1か月以上の継続が必要だと言われています。
看護師は患者のヘルスリテラシー向上のために、まずは自分が率先して健康管理に努めることが大切です。例えば、自分がヘビースモーカーだとして、患者に禁煙のメリットを話しても説得力に欠けます。実際に健康対策を実践しなければ、乱れた体調や体質を健康に戻すのは困難であり、知識は実際に活用してこそ意味があると認識しましょう。看護師がヘルスリテラシーを意識した健康管理に努めれば、患者もついてきてくれます。